「政治とカネ」を巡る国怪論戦は、果して、「政局」(=クビ取り合戦)へと進展するのか? |
「相討ち」以外にない
さて、さて、「政治とカネ」を巡る与野党国怪バトルが、いよいよ、オモロクなってきました。
K−1もしくは、PRIDEの実況中継風に言いますと、とりあえず、今のところ、軽いジャブの撃ち合いで様子を窺っている「序盤戦」から、本格的な「中盤戦」にさしかかろうとしている段階でしょうか。
確かに、これまでの総合的な新聞、テレビ、週刊誌等のマスコミ報道を見る限りは、森派(清和会)の党からの政治献金不記載ギワクに加えて、旧橋本派の日歯連からの1億円闇献金を巡り、橋龍、青木、野中の「裏金三兄弟」の国怪への証人喚問を要求するなど、野党(=民主党)が、一歩、リードしているようにも思えます。
ただ、自民党というのは、さすがダテにこれまで「政権与党」にしがみついてきただけではないというか、なかなか、巧妙な切り返しを仕掛けています。
それは、読売新聞のこの2月3日付け朝刊の政治面に、与野党の双方の追及点のポイントをうまくまとめていますが、一つは、昨年夏の参院選で、民主党の輿石東・参院幹事長支援のため、山梨県教職員組合(山教組)とその政治団体である山梨県民主教育政治連盟(県政連)が、半強制的に教員に選挙資金カンパを要請したり、電話による投票依頼作戦に駆りだしたこと。
そして、もう一つは、民主党の藤井裕久・代表代行が自由党幹事長時代の02年、政党交付金から「組織活動費」として、支給された15億2000万円の使途を明確にしろ、ということです。
と、こうした動きと軌を一にする形で、これまで「凍結状態」だった、例の年金問題の「3党合意」を与党が引っ張りだしてきて、「さあさあ、民主党サン、一緒に協議の場に出てきて、仲良くやりましょうか」と、「政治とカネ」の問題に関する追及の矛先を鈍らせ、さらにはウヤムヤにして、早いとこ、当初予算案を国怪で成立させようという下心がミエミエです。
それでは、私が岡田克也クンに、こうした与党の攻撃材料に対する「切り返し法」をこっそりと伝授しましょう。
まず、山教組&県政連のモンダイですが、これは、ズバリ、池田大センセイを「創立者」とする、「創価学園&創価大学」の実態を逆に追及をすれば、イッパツです(笑)。
詳しくは拙著『カルトとしての創価学会=池田大作』(2000年、第三書館)の「第一章 創価学園、創価大学の真実」を参照して頂きたいですが、要するに、山教組と同じことが、創価学園&創価大学でも行われています。
具体的には、衆院選や都議選が近づいてくると、職員会議では「F票取り」の指示が出され、卒業生名簿などをもとに、教員らには電話作戦や戸別訪問の割り当てがなされます。
とりわけ、当選が危うそうなマルハムの候補者に対しては、同窓会組織である「創友会」をも総動員し、強固な支援体制が取られます。
ので、教員は勤務時間中であっても、創価中、創価高校で計4箇所以上ある仏間で必勝祈願の唱題を行うのはもちろん、職員室の電話を使って、投票依頼をしたり、場合によっては候補者の選挙運動に駆りだされることもあります(笑)。
このように「教員が特定の政党の政治活動の手足となっているのは、教育公務員特例法違反ではないか」と自民党は追及してますが、だったら、創価学園・創価大学は、私立学校法の第一条にある「その自主性を重んじ、公共性を高めることによって、私立学校の健全な発達を図る」という趣旨から、明確に逸脱しています。
さらには、創価学園のホームルームや日常の授業では、ぬあんと、ぬあんと、「創立者」(=池田大センセイ)本や聖教新聞を題材に使って、“創立者崇拝教育”がなされています。
百譲って、これが民間の私塾であればわかりますが、いちおう、学校法人として、東京都などから我々主権者の血税であるところの多額の補助金を受けているわけです。
一宗教法人の指導者を、学校教育の場で、子供たちに崇拝させることが、果して許されるのか、こうした「政教一致」ならぬ、「教教一致」の実態を、キビシク追及しなければなりません。
さらには、ヒマな人が東京法務局(中野出張所)に行けば、「学校法人・創価大学」と「学校法人・創価学園」の法人登記簿を見ることができますが、そこには、オモロイことに、「資産の総額」が書かれています。
んで、私もこのほど、この登記簿を入手してビックリしたのですが、ぬあんと、昨年5月31日に登記した創価大学の資産総額は「1174億5733万834円」、また、「創価学園」が同じく昨年9月17日付けで登記している資産総額は「615億1704万9879円」で、両方を合わせると、ぬあんと、計1789億円余りです。これにはさすがに私も鼻血がブーと出そうになりました(笑)。
この登記簿に記載された数字は、「資産総額」ということなので、土地と建物と預貯金等を合わせたというものでしょうが、しかし、どこをどうやったら、この不況下、こんな膨大な資産形成が可能なのでしょうか?(#要するに、信濃町の学会本部から多額の寄付金がこうした学校法人に移されることで、ウラからオモテの金に化けて、マネーロンダリングができるってわけや)
ほんと、創価学園&創価大学に関しては、ほじくっていけば、いくらでもウサン臭い話が出てきますので、とりあえずは、創価学園&創価大学出身の国交大臣の北側一雄に答弁を求め、さらにはさるエライ方の証人喚問を突きつければ、イッパツでしょう。
この際、「政治とカネ」の問題もいいですが、そこからさらに波及させて、「宗教とカネ」の問題にターゲットと持っていって、「この不況で税収低下の折り、どうして宗教法人ばかり優遇税制が保障されているのか。消費税率を上げる前に、そういうところからジャンジャンと税金をむしり取る方が先ではないか」と切り返せば、国民世論もついてくるというものです(笑)。
さて、もう一つは、藤井裕久・代表代行が自由党幹事長時代に受け取ったとされる「組織活動費」の使途ということについてですが、おそらく、これと同一レベルかどうかはわかりませんが、自民党におけるよく似た費目に、幹事長の自由裁量で使える「政策活動費」があります。
これは、じつは週刊ポストが昨年の秋から熱心に追っ掛けていて、例えば、2000年4月に例の5人組の密室謀議で森喜朗がソーリに擁立される際には、総額15億5000万円の政策活動費が支出されたことになっています。
とりわけ、小渕、森、小泉の3代の政権下で政策活動費の支出が最も多かったのが、この4月に補選を控えているタフ(=山崎拓)です。
これを報じた週刊ポストの昨年10月8日号によりますと、タフと、その側近だった山崎派の経理局長だった亀井善之の2人で、ぬあんと、20億円以上も使っているというのです(笑)。
特に、タフの場合は、この政策活動費の支出急増期に愛人である山田かな子と別れており、さらには、かつてのタニマチだった石油卸商の泉井某が、バクロ本を出版しようとして、ゲラにもなっていたのに、突如、中止になっているという不可解な展開も見せています。
自民党が民主党の藤井裕久氏を攻撃するのは、別にいいですが、あんまりやりすぎると、その「ブーメラン」が、「タフ&旧橋本派裏金3兄弟」にグサッと突き刺さることになります。そうなったら、まさしく、我々、ヒマ人が待ちに待った「政局」の勃発です(笑)。
ちなみに、民主党の「代表代行」というポストは、私の記憶に謝りがなければ、一昨年の「民・由合流」に伴い、自由党の党首だった小沢一郎を処遇するために設けたポストで、同党の実質的な「ナンバー2」です。
というのは、私が昨年末の12月27日に、議員会館で藤井氏とサシで会って取材した際、取材が終わっていろいろオモロイ話を2人で雑談した際に、本人から直接、聞いたのですが、民主党の意思決定機関として、役員会などの他に、「代表、代表代行、幹事長」の3者で方針を話し合って決める場があって、まさに藤井氏は民主党の中枢の「ナンバー2」の座に君臨しているのです。
で、その際、私は藤井氏に「どうして、(昨年9月の)岡田続投決定後に、幹事長の留任を断ったのですか?」と聞いたら、次のように言ってました。
藤井 新聞ではいろいろと書かれたが、私は本当に幹事長を続けるつもりはなかった。というのは、私は自由党時代からずうーっと幹事長をやっており、ここで引き受けたら通算7年を越える。幹事長というポストはカネと人事を握り、その権限が大きく、長くその座にいると、知らず知らずのうちに腐敗していく。それをいちばん恐れた。これは本当だよ。だいたい、幹事長をそんなに長くやってるのは、他に冬柴くらいだろう(笑)。
古川 もっとも、冬柴は彼自身の意思で辞めることはできませんからねー。人事権はさるエラいお方が持っていらっしゃいますので(笑)。
藤井 で、私個人が堕落するということは、党が堕落することであり、それは党に迷惑をかけることになる。だから、幹事長から引いた。それが真実だよ
じつは、ここ最近、小沢一郎の側近である平野貞夫氏とも会って、取材したのですが、膝を交えて話をすると、平野氏も藤井氏もほんとにマトモな感覚を持っている人で、いろいろと示唆に富むことが多かったです。
んで、平野氏との取材というか、雑談では、あの新生党結成時の「秘話」にまで及び、こんなエピソードを披露してくれました。
あのとき、小沢・羽田一派の離党、すなわち、「新生党の結成」は、長い時間、根回しの末、満を持して飛び出したかのように一般には伝えられていますが、じつは違うのです。
というのは、政治改革の問題で行き詰まり、93年6月に、自民党内の小沢・羽田派が野党提出の不信任案に賛成したことで、不信任案が可決され、宮沢内閣は総辞職ではなく、解散に踏み切ります。
しかし、平野氏によれば、当初、小沢・羽田グループは自民党内にとどまって選挙を戦うつもりだったのですが、そうこうしているうち、当時、国立国会図書館勤務で、後に細川首相の秘書官となる成田憲彦から電話が入り、「武村の一派が離党した」の報が入ります。
ところが、さきがけを結成することになる武村一派は、その内閣不信任決議では「反対」の票を入れていたのです。
これを知り、平野氏は小沢一郎と相談して、「武村たちが自民党を飛び出たのに、不信任案に賛成した我々が、中にいるわけにはいかない」ということになり、「じゃあ、小沢、羽田、平野の3人で党を出るか」ということになったとき、平野氏が「そんな、寂しいことを言うなよ」と言ったそうです。
んで、その翌朝、3人がグループの会合の場で「自民党を離党する」という方針を伝えると、その賛同者が一挙に集まり、活火山のマグマが一挙に爆発し、わずか5日ほどで「新生党」を立ち上げたといいます。そこに馳せ参じた新人の1年生議員が、岡田克也だったというわけです。
平野氏によれば、「政治とカネ」を巡る、いわゆる金権腐敗ということについては、自分たちが政権与党の内部にいたリクルート事件のときに、既に「これはアカン」という意識があったといいます。
で、自民党を飛び出すという決断をしたというのは、もちろん、その時の勢いということもあるでしょうが、やはり、薩長が倒幕に踏み切ったように、「体制内改革は不可能」という最終認識だったと思います。
それは、まさに、今の「政治とカネ」を巡る自民党(=自・公)政権にも言えると思います。
私が、平野氏、藤井氏との取材で新たに認識し直したのは、「政権交代」というものの重要性です。
確かに、「自民党と民主党の違いはどこにあるのか?」「民主党には、同じ党に西村真悟から喜納昌吉までいて、主張に一貫性があるのか?」という批判もわかります。
しかし、それを越えて、いろんなしがらみや癒着を断ち切り、淀んだ空気を入れ換えることにこそ、大きな意味があるのです。
いま、「韓流ブーム」がとどまることを知らない勢いですが、その遠因にあるのは、金泳三、金大中という、野党出身の大統領を輩出したことで、前政権、つまり、軍事独裁政権のウミを出すことができたからでしょう。それと、同じことが日本にもいえるのではないでしょうか。
旧自由党の組織活動費については、自民党から攻め込まれた際に、「ウソ」をつかない限り、絶対に切り抜けられます。
3年前、秘書給与流用問題で、辻元清美チャンが議員辞職に追い込まれた最大の要因は、記者会見で「ウソ」を言ってしまったということです。
確かに、社民党が彼女を守りきれなかったという側面もありますが、それ以上に、致命傷だったのは、記者会見でウソをついてしまった。残念ながら、これですべて終わってしまいました。
さて、問題は、この「政治とカネ」のモンダイが「政局」へ発展するかどうかですが、これはとりあえず、「和戦両様」でいいでしょう。
おそらく、森派の政治資金報告書不記載は、場合によっては、官房副長官の杉浦正健のクビで切り抜けるということを考えるでしょう。それで小泉には絶対に波及させない。
もちろん、この「政治とカネ」を巡って、小泉のクビが取れるに越したことはないですし、最終目標はそこにありますが、当面は、「大政局」へ向かう前段階として、与党を叩きに叩いて、内閣支持率を20%台から10%台に下げる必要があります。
そもそも、藤井氏の「代表代行」のポストも、そもそも藤井氏が望んだことではなく、岡田がアタマを下げて就任を要請したところがミソです(笑)。
まあ、小沢一郎はそのへんのケンカの極意は知り尽くしているでしょうから、「いつでも、ワシは藤井カードを切るで。それでええんやな」でいいでしょうが、モンダイは岡田がそこまで腹を括れるかです。
どうも、岡田克也というのは、例の「3党合意」の当事者であることもあって、イマイチ、そういった「政局遂行能力」にギモン符がついているのです。
前回の「年金政局」(=大作VS菅政局)で、菅直人が敗北したのは、彼が「代表」の座を放り投げて、「未納3兄弟」を地獄へと道づれにできなかったことに尽きます。
そうやって、代表の座にしがみついて、ボヤボヤしているうち、「内閣官房長官・福田康夫」という、トランプでいえば「キング」のカードをサクッと切られてしまいました。あとは、「エース」を出すしかありません。それで、ゲームは「ジ・エンド」です。
これは私の持論でもありますが、のるかそるかというケンカ(=真剣勝負)において、「相手はやっつけて自分だけは助かりたい」というハラでは、そもそも勝負になりません。
いかなる戦いであれ、決して敗北しない手段は、「相討ち」に行き着きます。その覚悟ができないのであれば、最初からケンカなど仕掛けないことです。
まあ、「引くか、突っ込むか」という、そのへんのタイミングは小沢一郎に任せておけばいいですが、それを岡田が受け入れることができるかどうかでしょう。
その意味では、今度の「政治とカネ」を巡る国怪での与野党攻防において、今後、岡田克也をソーリ大臣として、民主党を中心とする政権を担わせることができるかどうか、我々、主権者もじーっと見守りましょう(笑)。足元を見るいい機会です。
