資本主義にある本質としての「格差創出」(その6) |
この『政治経済論』は、岩波文庫版においても、本文わずか75頁の分量しかありません。
で、ここで述べられていることは、じつにシンプルで、「国家(=Etat)の主権(=souverainete)」たる「一般意志」(=volonte generale)とは、常に「共同利益」(=Bien commun)のために存在しており、その「共同利益」とは、その「政治体」(=Corps politique)に所属する「人民」(=peuple)各々の財産、生命、自由を守ることである、ということです。
ただ、これだと、あまりにも抽象的すぎて、何のことかさっぱりわかりませんので、『人間不平等起原論』や『社会契約論』の内容も踏まえつつ、もう少し、わかりやすく噛み砕いて説明していきます。
もともと、ルソーによれば、「文明以前」の「自然状態」においては、人間は「善性なるもの」として、存在していました。
ところが、人類は狩猟採取の自給自足の生活から一歩踏み出し、鉄器などの農具を使って土地を開墾し、麦や米などの農産物を集約的に生産するという行為を始めると、そこに「富の蓄積」が起こります。そこでは、「持つ者」と「持たざる者」とに分かれ、一方は「支配階級」となり、もう一方は「被支配者階級」へと分化していきます。ここで現れた「統治のしくみ」が、いわゆる「国家の起源」と呼んでもいいと思いますが、そのことはまさに、「格差社会の成立」を意味します。
で、ルソーによれば、自然状態において、「善性」だった人間の堕落は、こうした「富の蓄積」に象徴される「文明」(=市民社会)によってもたらされたものだ、と看破します。
そのことは、『人間不平等起原論』の中で触れられている、次の文章で表現されています。
━━初めて土地に囲いをして、「これは私のものだ」と言うことを思いつき、かつ、それを信じてしまうほど単純な人たちを見出した人物こそ、まさに市民社会の創設者だった。そのとき、杭を引き抜き、溝を埋めて、同類たちに向かい、「こんないかさま師の言うことなんか聞くな。果実は皆のものであり、土地は誰のものでもない。それを忘れたお前たちは身の破滅だ」と叫ぶ者がいたなら、如何に多くの犯罪、戦争、殺戮を、如何に多くの惨事、災厄を人類は免れることができただろうか。
つまり、この中で「文明がもたらす罪科」のカラクリがすべて言い尽くされていますが、戦争や犯罪、殺戮といった市民社会(=文明)の惨事、災厄の根源にあるものとは、土地や貨幣といった「私有財産」の追求であると断じています。
その根底にあるものとは、おそらく、人間の果てしない欲望に他なりませんが、こうした私有財産の追求していくことを、近代において特化していったものが、「資本主義」ということです。あけすけに言ってしまえば、それは「金儲け」のことです。
実際、ルソーは『政治経済論』において、こうした「私有財産」を際限なく求めようとする人間の欲望こそが、じつは「戦争の本質」にあるものだとして、次のように指摘しています。
━━かかる増大の最も明らかな、最も危険な原因の一つは征服欲である。この欲望は、しばしばそれが表明されるところの別の種類の野心から、生まれるものであり、必ずしも、その外見通りではない。そして、その真の動機としては、国家を拡張するという明瞭な欲望よりも、むしろ軍隊の増大を頼みとし、また、戦争の対象が、市民の心に与える心気転換を利用して、首長の権威を国内において増大するという、隠された欲望を持っている。少なくとも、極めて確かなことは、征服国民ほど圧迫された惨めなものはなく、彼らの成功自体が、悲惨を増大するにすぎない。
しかし、ひとたび、人間が文明社会に足を踏み入れてしまった以上、かつてのような「自然状態」に戻るわけにはいきません。
そこで、富の蓄積における「人間の不平等」(=格差)を生み出した文明がもたらした罪科を、できうる限り制限していくために編み出したものが、「社会契約」という発想です。もっといえば、ルソーは、こうした「私有財産の不平等」こそが、「一切の悪の原因である」ということを見抜いたのです。
かいつまんで言うなら、ルソーが「社会契約」によって打ち立てられた「国家」、および、「政府」の役割とは、こうした「私有財産の格差是正」ということに尽きます(ルソーの思想の文脈の中で、この「国家」と「政府」ははっきりと使い分けられていますが、それに言及すると煩雑になりますので、今ここでは端折ります)。
で、ルソーがこの『政治経済論』の中で、こうした「格差是正」のために打ち出している具体的な政策が、じつは「累進課税の強化」「奢偧(ぜいたく)税の導入」なのです。つまり、「格差是正」のための回答は、ここにはっきりと示されているというより、究極的にはこれに尽きるといってもいいと思います。(この項つづく)
#5月16日付け朝日朝刊が、フィガロなんかから引っ張ってきて、「1回目」の猿の得票率の全国分布図を載っけておったが、02年のルペン、さらには05年のEU憲法草案の国民投票と比較してみるとオモロイな。確かに、猿はルペンの票田と重なりあっているというのか、移民の多い南仏(コートダジュール)、アルザス地域は高い得票率(=33%以上)を出しているが、それと案外、パリの周囲のイル・ド・フランスが多かったんだな。ここは比較的カネを持ってる層と、シテの郊外団地のように、ブールの2、3世が多いという、「格差激大地域」ではあるんだよな。ただ、ノルマンディー、ブルターニュはもともとルペン票は少なくて、EU憲法草案国民投票の賛成が多かったが、今回も猿票が少ない、フランスの中では実に「民意の高い地方」や(笑)。ここらへんは、それほど所得水準が高いとはいえないが、マトモな投票行動をする。ケルトの血が濃いのとも関係しとんのかなあ。で、じつはコレーズ県のあるマシフ・サントラル、地方名でいうと、リムーザン、オーヴェルニュだが、ここも猿票が最も少ないところなんだよな。これは、シラク、コレーズ県から下院選に出ても、全然、イケるで。 確かに、あのあたりはTGVも通っておらず、フランスでいちばん開発が遅れ、出稼ぎ人口も多い地域だが、パリのカフェのオーナーの多くの出身地でもあり、また、マキの闘士をいちばん輩出したことからも窺えるように、「古きよきものを守り続ける」という考えの強い、いい意味で「保守的」な土地柄だからな。初当選を果たしたときみたいに、ちゃんとドブ板やれば、「1回目」で過半数取れるかもしれんで。いや、たぶん、共産党もそれなりにまだ票は持っとるハズやから、シラク、まず、共産党と選挙協力して、「今回、1回だけ、猿のアタマを押さえつけるために、ワシに出させてくれや」ってことで頭を下げれば、飲んでくれると違うんか。どうせ、今回はPSもやる気なさそうだから、PSも下りてもらって、あと、バイルんとこも、案山子立ててもしょうがないぢゃないか(笑)。となると、猿んとこの候補者と一騎打ちってわけやな。でも、猿は油断ならんから、ベルナデッドと一緒に旧来からの支持者たちには、ちゃんと戸別訪問はやっておかんとアカンで。あのブルトーザーみたな巨体が、ブルボン宮に1人おったら、「100議席分」に相当するからな。
#何や、猿、「大統領職に専念する」ってことで、UMPの党首を5月14日付けで辞任したのか。もったいないなあ。せっかく、シラクのRPRを丸ごと乗っ取ったのになあ。耳にタコができるほど、「古臭いシラク政治からの決別」を言っておったんやから、別に与党党首の辞任まで、前任者のマネをすることないやないか。あと、猿がチョーやりたがっている「米国流新自由主義路線」について、ワシが「就任後100日以内の目玉政策」を提言してやるで。それは、ズバリ、SNCF(フランス国鉄)の完全民営化や。日本も「経営効率・収益性の追求」を表向きの理由に、うるさい労組を潰すために、国鉄を分割、民営化しとるからな。SNCFも全国5つぐらいに分けて、株を全部、猿のオトモダチの例の投資会社の社長に売り抜けて、完全民営化したらどうや。もの凄い売却益が出るんで、この際やから、あの自家用ジェット機と大型豪華クルーザーを「現物支給」してもらったらどうや。ただ、これやったら、ものすごい「山猫スト」が起こるで。フランス労組の「直接行動」(Action Direct)は、ハンパやないからな。「100日目」で、早くも政権転覆の危機に陥るなあ(笑)
#ん、「猿の可愛いペットちゃん」こと、フィヨンが5月18日に組閣名簿を発表したが、そもそも、第5共和国憲法の規定では、「大統領が首相を指名し、首相が閣僚を任命して組閣する」って(確か)なっとるハズなんだよな。もちろん、今度の閣僚の実質的な任命権者は猿なんだが、ワシが今度の「政権移行」の手続きでよくわからんかったし、どこもきちんと報道しておらんかったようなのだが、それは「ドビルパン」の処遇だったんだよな。ドビルパンの任命権者はシラクだが、別にシラクが大統領を辞めても、ドビルパンはシラクが更迭しない限りは、大統領が猿に代わっても、首相職にとどまることは、物理上はできたんだよな。まあ、それではスジは通らんから、ドビルパンはシラクに辞表を出していたらしいが、どうも、シラクは5月16日までの任期中にそれを受理せんかったようなんだよな。で、猿が翌17日に新大統領に就任したわけだが、で、どうも、猿はその店晒しになっていたドビルパンの辞表を「受理」せず、「更迭」という形でクビを切ったようなんだよな。しかし、そこらの「手続き」の詳しい情報は、全然、オモテに出ておらんのや。というのは、なぜ、 こんなことを書くかというと、今回は名目上も実質的にも同じ与党内で大統領が代わっただけだし、下院もUMPで現在は約6割(定数577議席中369議席)と圧倒的過半数を占めているから、どうせ、下院選まであと、1カ月しかないんだから、極端なことをいえば、そのままドビルパン内閣を留任させて、下院選を戦うという選択肢も全然、あったんだよな。02年の前回は、「1回目」でシラクが首相のジョスパンと対決しとったから、再選後にPSのジョスパンを更迭して、ラファランを首相に指名し、「コアビタシオン解消」のため(そのときは、PSをはじめとする左派連合が下院で過半数を占めていたため)、下院選を乗り切ったというのは、スジとして当然だが、でも、今回は、下院選が終わって、そこでUMPが過半数を確保して、やっと本格的に猿政権が動き始めるわけだから、要はこの1カ月は「選挙管理内閣」ってことで、できる限り「小幅の改造」にとどめて置いて、猿的には、とにかく大統領選の勢いをかって、そのまま「時間差ダブル」の下院選になだれ込むのが、スジだったんや。「1回目」の得票率を見てもわかる通り、実質的な差はセゴレーヌとほとんど変わりがなく、要はルペンの票を食って、31%に持ってっただけだろ。で、「2回目」のバイルんところを、まさに「飴と鞭」で切り崩して、やっとこさ、「53対47」のスコアに引っ繰り返したわけだから、猿は言われるほどの「圧勝」では、全然、ないんや。そのへん、もっと、「足元」を見とかなアカン(笑)。そこから見ると、今度の「猿人事」がよくわかる。
#フランスの労組の強靭な秘密は、その組合員個々人の「独立心」にある。じつは、フランスの労組の組織率は10%を割っており、おそらく、EUの中でも最も低い。それはなぜかと言うと、日本のように会社に入社したら、自動的に組合員になっているというのではなく、個々人の自由意志で参加するかどうかを決めるからだ。それゆえ、「上」からストの指示が来ると、現場の組合員は必死でその職域をオルグして回る。「なぜ、今、我々は直接行動に立ち上がらなければならないのか」を。現場はそれに納得しなければ、動かない。逆に「やる」と決めたら、徹底的にやる。だから、フランスでは、日本みたいに「上」の指示で一斉に始まって、一斉に終わるということはない。あるとき、突然、ストは始まり、その「抵抗の意志」が続けば、いくらでも続く。終わるときも、三々五々、散っていくように終わる。だから、「山猫」(=chat sauvage、ちなみに「山猫スト」はフランス語で「greve sauvage」という。「sauvage」とは、「野性の、自然のままの」という意味の形容詞だが、類義語で言い換えると、「ne pas apprivoiser」やな。つまり、「飼い馴らされていない、家畜化されない」ってことや!)なんや。いいか、猿、山猫をナメてると、大ヤケドするで(笑)。もし、猿が強引なクビ切りに来たら、フランスの労働者同志諸君は断固として立ち上がり、ガンガン抵抗したれや。それが、「革命精神」や! <ちなみに、動詞「apprivoiser」は、俗語表現として、「オンナを誑し込む」という意味もある(笑)。サンテクジュペリの『星の王子さま』で、王子さまとキツネが出会う有名なシーンがあるが、ここでも実は「apprivoiser」という単語が出てくる。キツネによれば、「人間は我々をapprivoiserしようとする」のだという。その言葉に、王子さまは深い「孤独」を感じ取るのだが、最近、雨後の筍のように出た翻訳本では、「飼い馴らす」ではなく、「馴染みになる」っていう訳語を与えているのもあるんだよな。まあ、解釈はいろいろあっていいと思うが、「馴染みになる」ってのはちょっと生ぬるい訳語だよなあ。ワシだったら、もっと露骨に「家畜にしようとする」って訳す。
#おっ、猿、シラクの旧東京相和銀行のヒミツ口座問題で、司法当局にハッパをかけて、また、シラクに脅しをかけまくってるな(笑)。ミソは「大統領の訴追免除特権が、辞職後1ヶ月後で切れる」という、いかにも取ってつけたようなリクツだが、その訴追免除期限の切れる「6月17日」ってのは、モロ、下院選の2回目の投票日やないか。じつにわかりやすいなあ。「まあ、しばらくは余計な動きをすんな」というプレッシャーやな。猿も、UMPの党首を辞めてしもうて、下院選では表立ってフル稼働できんから、こんなところで、イヤらしくネチネチと締め上げるしかないんやなあ。逆に言えば、猿も相当、焦っておるともいえる。むしろ、そんなことより、猿、この際やから、その「大統領の訴追免除特権」の規定を見直して、今度の下院選の争点にしたらどうや。日本も確かに、国会議員は国会会期中は、院の承認(=逮捕許諾請求)がないと逮捕されないという「特権」があるが、でも、現実にはガンガンとタイホされておるからな。だから、猿、こういうのはどうや。「共和国大統領も、任期中であっても、(イギリスのブレアみたいに)疑惑が浮上し、捜査対象となった場合は、任意の事情聴衆には応じなければならない」というのと、「下院の許可があれば、現職大統領も司法当局に逮捕される」ってのはどうや。「シラク治世からの決別」を言ってるんだから、これくらいの「大統領改革」はせんと、アカンで(笑)
それと、今度のシラクの旧東京相和銀行のヒミツ口座所有問題で、ブンヤ的に少し引っかかるのが、これはシラクのパリ市長在任中の話で(大統領在任中の話ではない)、シラクがパリ市長でおったのは、77年から95年までだから、日本の刑法だと、詐欺罪であれ、業務上横領罪であれ、既に「時効」が成立しておるんだよな(そもそも海外の銀行に口座を持つこと自体は、何ら違法性はない。問題は、そのカネをどうやって捻出したか、である)。それと、そのヒミツ口座の存在が仮に事実であったとしても、これまでの報道で出ている「3億フラン」(=日本円換算72億8000万円)という金額なんだよな。ちょっと金額が大きすぎる。パリ市長の職権を使って裏金を捻出していたと仮定し、そこから市の予算を流用していたにしても、相当というか、最初から最後までデタラメをやってないと、どう計算したところで、こんな金額にはならんからな。で、シラクが党首をやっていたRPRにカネはない。なぜなら、シラクの下でRPRの幹事長をやって、パリ市の助役でもあったジュぺが、パリ市役所での勤務実態がないのに、RPRの人間を市職員として採用させておったくらいだからな(笑)。こんなチンケな公金横領で、ジュぺはいわばシラクの「人身御供」となって、刑事訴追され、有罪判決を受けておるからな。それで初代UMP党首の座を追われたジュペの後釜に、猿がちゃっかりと座ったわけやからな。ま、猿みたいに、自家用ジェット機や大型クルーザーをイッパイ持ってる、大金持ちのスポンサーがウラにいれば、チョー簡単に、ン十億円の蓄財は可能だろうけどな(笑)。だから、このネタは、ちょっとというか、かなり胡散臭いところがあるんで、眉にツバをつけて見る必要がある。もし、本気でシラクを刑事訴追するとなれば、当然、ジュペも一緒やからな。ところが、ジュぺは今度の猿政権の最大目玉である「環境・持続的開発担当大臣」だろ。だから、猿、あんまりやりすぎると、自分で自分のクビを締めることになるで。
で、ここから先は、ワシの推測やが、今度の「猿当選」において、決定的な役割を果たしたのが、「ジュペの寝返り」だが、ジュぺは「ポスト・シラク」において、同じENAで出身のドビルパンとはライバル関係にあったんだよな。ところが、ドビルパンは非議員であることを見てもわかる通り、ジュぺのように手を汚してはない。逆に、汚れてない、芸術肌の人間だから、ドビルパンは人の心を打つ演説ができるともいえる。ジュぺが失脚中、ドビルパンがシラクの寵愛を受けて、特にイラク開戦時の外相として、親分と二人三脚で、名前を売ったということへの「ジェラシー」も、たぶん、あったんだろうなあ。そこらあたりの機微が、「敵の敵は味方」同士ということで、ジュぺが寝返った根っこにあるような気がする。
#おっ、猿、5月31日にスペインに行って、サパテロと雑談してきとるのか。しかし、サパテロは去年9月、猿が内相だったとき、サパテロと移民問題を巡って、大ゲンカしとるんだよな(笑)。スペインは今、経済が上向きだから移民をガンガンと受け入れているんだが、そのスペイン経由でマグレブあたりから移民がフランスに入ってきてるから、猿が「(スペインは)不法移民をホースのように吸い寄せた」と言ったら、サパテロは「パリ郊外で目にしたこと(=猿の「人間のクズ発言」をきっかけに起った05年秋の若者暴動)を考えれば、フランスに教訓を垂れる資格はない」と、猿に食ってかかってるんだよな(笑)。しかし、左派・社会労働党のサパテロは、今のフランスのPSの軟弱な連中とは違って、爺さんが、人民戦線でフランコと戦った血を受け継いでいる、まさに、バリバリの「闘士」やからな。どうせ、猿のことなんて、内心、「このクソ生意気なガキめ」ぐらいに思ってるんだろう。で、サパテロは今度の猿との雑談で、「簡素化したEU憲法でOK。その際はEU大統領、外相の創設、各国が平等な立場で投票権を行使できるようにする」といった、草案の根幹部分はちゃんと維持したうえで、「はよ、EU憲法を実効させろ」と猿のケツを叩いておるんやな。まったく、サパテロの言う通りや。全文191頁の草案は、はっきり言って牛のヨダレみたいに、どうでもいい部分での贅肉が多いから、とにかく、「骨」となる「根幹部分」はちゃんと残して、ムダな部分はアッサリと削らなアカンな。猿の大好きな「リストラ」と同じ手法や。そこで、「初代EU大統領」にシラクを持ってくれば、すべて解決やないか! さすがにEUの住民もバカじゃないから、「ぜひ、ブレアを」と言うのはおらんだろうしな(笑)。だって、他に適任者なんて、何処探したっておらんぢゃないか。ってことは、「初代EU大統領就任」ということで、実質的な「シラク3選」というわけやな。結果的には、今度のセンキョに出なかったことで、「傷」もつかなかったし、全然、よかったぢゃないか!
#『月刊現代』7月号所収・吉田徹(北海道大学大学院准教授)の「猿論文」が、なかなかオモロイ。ワシが何となく感じていたことを、ガクシャらしく、うまくまとめてある。「父殺し」というテーマは、おそらく、猿の「マザコン体質」に繋がってくるな(笑)。筆者は、どういう人物かワシは知らんが、略歴を見ると、ワシより10歳も若い。アカデミズムもこういう俊英が出てくると、活気が出てくるな。それで、猿は英語の成績がダメで、グラン・ゼコールを中退したのか(笑)。アメリカは今は、ブッシュが大統領だからいいが、「次」は、オバマにしろ、ヒラリーにしろ、ゴアにしても、東部のバリバリのエスタブリッシュメント校の出だからな。首脳会談くらい、通訳を通さずに英語でできんようでは、アメ公に舐められるからな。それと、当初、パスクワが猿の後ろ立てで、本来ならパスクワがヌイイ市長になるところを、ヘルニアの手術で入院中に、身内の市議を抱き込んで、パスクワを追い落としたのか。今度の大統領選とクリソツやないか! 猿の内相としての治安対策なんて、パスクワがやってたことの「そのまんま」やないか。猿、ぬあんで、そんなにわかりやすいキャラなんや。今度のジュぺの寝返りもまったく、その路線の延長線上にあるからな。
#仏大統領選で盛り上がっているうちに、トルコが7月の総選挙を前に、何かトンデモない状況になってきてるな(笑)。このドサクサに紛れて、トルコ軍が北イラクのクルド人居住地域を攻撃しようというムードになってきてるのか。エルドアンも「お仏蘭西」の真似して、「ワシも大統領になりたーい」って「欲」にくらんだ途端、この調子だからな。任期満了の11月までおとなしく待って、首相のまま総選挙に持っていけば、今、トルコは経済が順調だから、エルドアン与党は間違いなく勝っていたのになあ。もし、シラクが大統領だったら、エルドアンや、トルコの野党、軍部の頭をなでて、うまいこと矛を収めてくれただろうが、今は猿だからなあ(苦笑)。これは、早いとこ、EU大統領を創設せんとアカンな。
#おっ、「シラクvs猿」の政局がスゴイことになってるな(笑)。猿も、ここでシラクの息の根を止めようと、死にもの狂いやな。で、シラクの不訴追特権が、ちょうど下院選のカタのついた翌日の6月18日で切れるのはいいとして、もし、事情聴取するにしても、どうせ「参考人」だろ。で、「容疑案件」はシラクが、ドビルパンに指示して、猿の周辺の調査を命じたとされることか。ワシ、フランスの刑法知らんから、どういう罪名に該当するかわからんが、日本で言えば、「公務員職権濫用罪」だな。しかし、こんなもん犯罪構成要件に該当するんかいな。立小便か、クルマのスピード違反みたいなもんだろ。それを言うなら、猿も去年、内相時代にセゴレーヌの周辺の税務調査を指示したギワクがあるからな。しかし、猿の方は「現職大統領の不訴追特権」で、" 無罪放免"か(笑)。しかし、相変わらず、マンガをやっとるな。それか、エディプス・コンプレックスに今なお悩む猿の「父親越え」か。でも、あのブルトーザーの巨体のオッサンを乗り越えるのは、難儀なことやで。
#えっ、下院選で猿与党は318議席止まり?改選前より30議席以上も減らしておるのか。こんなのボロ負けやな。下手したら、過半数割れの可能性もあったんやな。猿、何やっとるんや。さっさと、フィヨンに辞表を持ってこさせなアカンやないか。やっぱり、UMPの党首辞任は下院選後でよかったで。PSとの激戦区に乗り込んで、演説を一発ブッておれば、少なくとも「現状維持」はできてただろう。通常であれば、大統領選直後の下院選は、解散権を行使した81年のミッテラン、そして、ルペンを下し、任期を短縮させたため「時間差ダブル」となった前回02年のシラクと、いずれも「大統領与党」は地すべり的勝利を収めておるからな。言われるほど、猿の政権基盤は全然、強くないことが、これで判明した。コイツはいくらでも切り崩せる余地があるな。やっぱり、フランス人もマトモやな。日本人より全然、バカではない。で、そっちの統一地方選は再来年か? 猿、早くも「レイムダック」が始まっておるやないか!