資本主義にある本質としての「格差創出」(その2) |
近代資本主義は、18世紀のイギリスに遡るといわれています。
具体的には、18世紀後半以降、イギリスでは毛織物産業が急激に成長し、それと表裏一体の形で、エンクロージャー(囲い込み)運動が進みました。つまり、毛織物の原料である「羊」を飼育するため、その餌となる牧草地のための農地を、左翼用語でいうところの「資本家階級」に所属する人たちが、順次、獲得していったということですが、要するに、これをひとことで言うなら、「地上げ」です。
18世紀の後半にイギリスで進んだエンクロージャー(=地上げ)の対象となった土地は、もともとそこに住んでいた人々が、自分たちが生きていくための糧として、農作物などの生産物を作る、いわば「共有財産」として存在していました。日本語でいうところの「入会地」です。
そうした土地の大半は、家族が自活するだけに分割され、いわば自給自足用として存在していました。そこでは、余剰生産物を作り出すような広い土地はほとんど存在せず、「交易」というものがあっても、近所同士の物々交換といった程度でした。
そこに、世界史の教科書風に記述すると、「産業革命」ということで、毛織物産業をはじめとする「工業の勃興」によって、土地の囲い込みが起こり、強大な地主が出現することになります。しかし、もともと人が住んで、細々と農業を営んでいた細切れの土地を、彼らが勝手に囲い込み権限などはどこにもありませんでした。そのため、彼らは武装した、日本でいうところのヤクザまがいの連中を雇い、そこに住んでいる人たちを力づくで追い出したのです。まさに、「地上げ」です。
数字的に見ると、1710━60年の50年間に囲い込まれた土地は33万エーカーでしたが、続く1760年から1843年までの間には、その面積は700万エーカーにも増大しています。そして、19世紀の後半には、イギリス国土の半分が、わずか2500人の地主に所有されるというところまで行ってしまいました。
こうやって広大な土地を取得し、それをもとに生み出される羊毛から、莫大な財産を築き上げる人が、当然のことながら、続出します。 こうした地主層が、資本家階級の中核をなしていましたが、イギリスの清教徒革命、さらには名誉革命を強く後押ししていたのは、こうした層でした。
その一方で、こうした、囲い込み運動(=地上げ)に遭遇した結果、自分の生活していた土地を追い出された人々は大都市に流入し、工場労働者として働かざるを得なくなったり、中には浮浪者に転落するものもいました。
しかし、こうした産業革命の進行は、それまでの中世的な自給自足社会を破壊し、富める「地主・企業者階級」と、搾取される「労働者階級」に二極分解していきました。つまり、「格差社会の出現」です。
このように、「格差社会」というのは、資本主義というシステムと不即不離の関係にあります。逆に言えば、資本主義である以上は、常に「格差」が生み出されることになります。そして、今日における「それ」の問題を考えるときも、まずは、そこの「本質」をきっちりと捉えなければならないと思います。(この項つづく)
#書くとこもないんで、ここにでも書いておくが、「夏本番」のセンキョ区情勢、やはり、一番の注目はトラの岡山だろうなあ。その民主の「岡山の姫」こと、姫井ゆみ子ってのは、48歳で元県会議員か。タマとしては悪くないな。やっぱり、「平沼票」の行方だろうなあ。もう、この期に及んで、「参院選前の自民復党」はありえない(もし、それをやったり、アベの支持率が最低5ポイントは落ちる)んで、ごっそり平沼票が「姫」に流れるようだと、引っくり返りそうな気がする。岡山はあのおととしの小泉発狂解散総選挙で、2、4区を民主が取って、3区が平沼なわけだろ。「足腰」の基礎票だけで、かなりあるから、そこから先、いかに「浮動票」を上積みしていくかだからな。しかし、「トラ落選」ということになると、いちおう、自民の「参院幹事長」だからな。面子のモンダイはあるな。となると、中川秀の「踏み絵」攻撃のツケが出てくるというわけか。
その揉めてる大分は、社民の松本文六ってのは、「65歳新人・特定医療法人理事長」か(苦笑)。地元の事情はよう知らんが、一概に年齢でどうこうは言えんけれども、もう少し若いシャキッとしたのはおらんのかって感じだな。ブログを見る限りでは、タマとしては、まだ、民主県連推薦の矢野大和の方がマシのような気がする。ま、どうでもいいけどな。
#あと、群馬は現職の山本一太(自公)VS新人・福田晃治(綿亀新党公認・民主推薦)か。参院副議長の角田の爺のクビを飛ばして、ようやくオモロクなってきたな。群馬は言わずと知れた「自民王国」やが、より正確に言うと、「福田王国」なんやな。ワシ、東京新聞におった頃、96年の総選挙を取材したことがあって、現地にも行ってるが、そのとき、中選挙区時代の「福田VS中曽根」の星取表を作ったことがあった。「勝ち星」とは、もちろん、「トップ当選」のことや。で、1947年4月以降、93年7月までの両者の直接対決で(最後の90、93年は、福田の方は倅の康夫が出馬)、ぬあんと、対戦成績は福田の「12勝4敗」。福田は最初3連敗して、69年に1度負けた以外は、すべて中曽根に勝ってるんや。福田赳夫がすごかったのは、中曽根が現職首相時代の83、86年にもちゃんとトップで勝ってることや。だから、福田後援会ってのは、全然、センキョが強い。今度のアベ内閣で、何気に財務大臣・尾身、行革大臣・佐田の2人が入閣しとったが、ちゃんと2人とも「群馬県」やからな(笑)。アベもそこはちゃっかり「福田包囲網」を敷いとるわけや。今回、同じ「福田姓」っていうのは、まさか、縁戚関係ってことはないわな。まあ、福田票が福田票に流れることはないにしても、あれっ、でも、これ、投票用紙に「福田」って姓だけ書いても有効になるんだよなあ。そうか、福田康夫は「ボイコットをしたらアカン。でも、代わりに、札にはワシの苗字を書いてもええで」と指示してもいいわけか(笑)
#それで、今回、綿亀新党が群馬、埼玉、千葉、大阪で候補者を立てる予定なんだよな。基本的に票田は自民党と競合するから、むしろ、コレが自民批判票の受け皿になりうる可能性があるな。選挙区でどれだけ取るかわからんは、もし、2━3議席を取るようであれば、これはかなり台風の目になる。で、ムネムネ新党は、副代表の「女ムネオ」こと、多原香里が北海道から出て、綿亀新党も協力するんだな。さらには、沖縄は西銘順志郎と糸数慶子との一騎打ちの様相だが、綿亀新党とそうぞうが統一会派を組んだということは、糸数を支援するということだわな。オセロの隅ではないが、北海道と沖縄で、もし、この2人が議席を取るようだと、かなりの「変化」の兆しが出てくる。文字通り、「政局流動化」だ。もし、国怪会期末に向けて、民主なんかより、むしろ、綿亀新党がラディカルに自公を追い込むようだと、むしろ、「政権批判票」の受け皿になりうる可能性がある。
で、じつは白川勝彦のオッサンがワシに会いたいと言ってきてて、ちょっとワシもバタバタしてて会う時間がなかったのだが、たぶん、「センキョ出馬」の相談だったんだと思う。直接、本人から聞いたわけではないが、たぶん、あるとすれば、綿亀新党の比例だろうが、この流れが出てきたら、出馬は全然、アリだと思う。まだ、公示まで時間はあるし、比例名簿に名前を搭載するだけの話だし(笑)。もともと、カメイモンとは自社さで「反信濃町」ということで共闘してたわけだし、やはり、政権を引っくり返すには、「手の内」を知り尽くした人間は必要だと思う。共産、社民みたいに、カマトトそのままで、キレイゴトを吠えてるだけでは、権力中枢は痛くも痒くもない。