カネが人間の心を腐敗させる |
さすが、経世会の時代からケンカが上手というか、やっぱり政治家は「政局遂行力」が大事だというのを痛感します。口先のキレイゴトはどうでもいいんで、「やることはちゃんとやれ」という感じで、やっぱ、岡田、前原の時代とは違うなあと感心します(#筑紫哲也のニュース23も昨晩、この凶暴罪の件をかなり詳しく報じたし、世論もじわじわ盛り上がってきとるで)。
もちろん、小沢一郎も、かつては自民党の中枢で、「金権政治」のまっただ中にいたわけですが、「もう、この政党に自浄作用はない。改革するには、外に飛び出て、外部から壊すしかない」と、それで、自民党を飛び出し、新生党を立ち上げたわけですから。「あのリクルート事件で、体制内改革はダメだと思った」と、前に平野貞夫氏は私に言っていたのを思い出します。
そんなかんだで、さっき、ようやく気が付いたのですが、この4月18日に衆院の法務委員会が突然、動き出し、「凶暴罪の審議入り」の日程を決めたのはなぜなんだろうと、ぼんやり思っていたのですが、私、すっかり忘れていたんですけど(笑)、今、衆院の法務委員会の委員長は伸晃(=石原慎太郎のセガレ)だったんですね。
で、この18日っていうのは、ちょうどこの日発売だった「サイゾ」ーが、村岡無罪に関して、例のド腐れ検察幹部の匿名コメントを掲載してるんですけど、伸晃は佐藤勉なんかと一緒にちゃんと日歯連から金を貰っているんですよね(笑)。何だか、世の中ってすごくわかりやすいですよね。
要するに、「伸晃、テメーみていのボンボンなんて、いつでもパクってやるからな」という、ド腐れ検察幹部の脅しなんですけど、何か、すごくもの悲しいものを私は感じます。彼も昔は、すごくいいものを持ってたんですけどね。
権力を持つところに利権が集まり、そこに金が流入していきますが、たやすく手にすることのできる金は、あっという間に人間の心を蝕んでしまいます。
最近、私はすっかり「チョーカツおたく」になっているんですけど、この法務・検察の裏金である「調査活動費」(略してチョーカツ)も、ものすごいですよ。
チョーカツもそのルーツは戦前の司法省の機密費に遡るんですけど、戦前はまあ、「思想検事」というのがいて、いちおう、当時はスパイもちゃんと抱え込んでいて、そういうのにもちゃんと払っていたということなんですけど、戦後も実態としては全く変わらないまま、名前をチョーカツと変えて、引き継がれたのです。
警察の裏金と違って、検察のチョーカツの面白いところは、チョーカツは組織のトップ、すなわち、地検なら検事正、高検なら検事長、最高検なら検事総長と、組織のトップが完全にコントロールする裏金なんですよね。
で、もっと面白いのは、捜査をまったくしない法務本省にもチョーカツが予算計上されていることで、ここまで来ると、マンガというより、でたらめですよね。あの警察庁だって、さすがに本庁には捜査費を付けてませんから、もう、国民を完全にナメ切っているんですよね。「自分たちは何をしても許される」と思い上がっているんですよね。
チョーカツはすべて、100%完全に裏金に回ります。何に使ってもいい、「検察首脳のポケットマネー」なんですから、ゴルフの好きな人はゴルフに行くし、酒の好きな人はクラブに入り浸るし、マージャンの好きな人はマージャン。それが、すべて、「出所」は我々国民の血税なんです。このたび福岡高検の検事長から大阪高検検事長への異動が決まった佐々木茂夫のオッサンはかつて、三井環のオッサンにこう言っていたといいます。「調活がなくなったら、検事正になりたいなんていう奴など、おらなくなる」
で、法務省はトップの事務次官以下、刑事局長、官房長、人事課長、会計課長と、ラインに乗っている人間は全員、検事です。こうやってチョーカツに塗れたオッサンが1回は田舎の検事正をやって、チョーカツを使い倒して、また本省に戻って出世していくわけです。
ちなみに、今の「悪の独裁検事総長」(=松尾邦弘)は、人事課長より95年12月から約1年間、松山地検の検事正をやっていて、その間、当時、高松地検の次席検事でいた三井環のオッサンら、四国4県の地検の幹部と一緒に、地元松山の道後温泉の最高級旅館で、ドンチャン騒ぎをやっているのです。もちろん、出所は「チョーカツ」、すなわち、我々の血税です。
んで、こういうチョーカツのでたらめな使い方を、三井のオッサンがカミングアウトして、マスコミに内部告発しようとした矢先、「口封じ逮捕」ですよ。もう、でたらめの上塗りです。
んでもって、当時の最低検検事総長の原田明夫は記者会見で、「(三井環の主張は)事実無根」と言っておいて、週刊朝日の匿名インタビューでは、「不正流用はあった」とゲロッて、それを録音テープに取られているんです(#もちろん、キツネ目のオッサンはこのネタをちゃんと掴んでおるで)。
こんな原田明夫に象徴される、バカ丸出しの人間が法務・検察のトップにいて、それに連なっている「血税寄生虫ども」が、「凶暴罪」の成立に向けて暴走しまくってるわけですから、「バカも休み休みにしろ」です。納税者はもっと怒らないとダメです。
チョーカツを調べていると、本当に「権力の裏金は人間の心を蝕んでいくんだなあ」ということを痛感します。 「国策捜査」も含めた、法務・検察のモラルハザードの根源にあるのは、まさに、これなんです。「政権交代が必要」というのは、結局、そういうところにあるのですね。